宝石図鑑を見ていると石の産地に日本産が少ないと感じたことはありませんか?
図鑑は多く産出される地域を紹介していますが、実は日本でも宝石は採掘されていました。
日本は昔、金や銀をとる鉱山が多く存在していました。その中で宝石が採れ、流通することもありました。
現在、ほとんどの鉱山は閉山されていますが、採掘体験が出来る施設もありますので、今後ご紹介させていただきますね!
海岸や河原などでも運が良ければ見つかる事もありますが、採集には注意点が。
鉱物採集の注意点
- 許可の必要な場所・私有地に、無許可で侵入しない
- 乱獲しない
- ゴミなど捨てない
- むやみに自然を壊さず、掘った場所は元に戻す
- 採集した鉱物を他の産地に捨てない(専門家の研究の妨げや誤解の元になるため)
今回は日本で採れる有機物宝石をご紹介します。
真珠(パール)
真珠は貝の体内で生成される動物由来の有機物宝石。
真珠の色は母貝の色によってそれぞれ異なる。
真珠貝には、アヤコガイ・シロチョウガイ・クロチョウガイ・マベガイなどが存在するが、日本での真珠の母貝は、ほとんどがアヤコガイ。
海で作られる「海洋真珠」と、湖・河川などで作られる「淡水真珠」がある。
シェル
海棲のウグイスガイ、淡水棲のイシガイなどの二枚貝の内側は真珠とほぼ同質。マザーオブパールとも呼ばれる。イリデッセンスが美しいものは宝石のほかに螺鈿細工など日本の伝統工芸品に、現在でも重宝されている。
珊瑚(コーラル)
日本では主に赤珊瑚、桃色珊瑚、白珊瑚などが採れる。
宝石珊瑚は、普段100m~300mの光が届かない深海に生息。その宝石珊瑚が長い年月をかけて枯れ木化した(死んだ)ものが宝石として扱われている。
古来より祈祷や装身具などで用いられてきたが、日本で宝石珊瑚が発見されたのは、江戸時代の終わり頃。
琥珀(アンバー)
針葉樹や広葉樹の樹脂(樹液)が化石化した植物由来の宝石。
日本の歴史上最も古いとされる琥珀は、北海道の柏台遺跡から見つかった小玉。約2万年前の旧石器時代のもので、世界的に見ても古いと確認された。
黄金色・黄色・茶色・黒色・白色など、産地や樹木の種類により色が変わる。
琥珀の生成過程は非常に長く、通常2000万~6000万年程度かかるとされる。そのため、琥珀は「宝石」としてだけではなく、歴史的価値のある「化石」としても珍重されている。