

スタッフ
ダイヤモンドは地球の深さ150km以上、場所によっては660km以上の場所で生まれます。
マグマに乗って地表まで運ばれてくる過程で、ほとんどの鉱物は熱や圧力の変化によって分解してしまいます。
ところがダイヤモンドの結晶の中に閉じ込められた微小な粒は、高圧状態のまま何億年も保存されます。
その粒の正体を、近年の分析技術がようやく明らかにしはじめました。
歯磨き粉の成分をダイヤモンドの中から発見!?

2025年、ブラジルのマットグロッソ州で採掘されたダイヤモンドの中から新種の鉱物である「グラハムピアソナイト(Grahampearsonite)」が発見されました。
形成された深度は地下300km以上と推定されています。
面白いことに、この石の成分である「ピロリン酸カルシウム」は実は何十年も前から歯磨き粉や歯科材料に使われてきた化合物なのです。
ところが「天然の鉱物」として確認されたのは、これが初めて。
発見チームを率いたGraham Pearson博士も「「毎朝、半世紀以上この化合物で歯を磨いてきた人がいる。でもそれが地質学的な名前を持ったのは今回が初めてだ」」なんてコメントを残しています。
さらにダイヤモンドから発見された新種鉱物はこれだけではありません!
地下660kmから届いた別の石

同じ時期、ブラジル産の別のダイヤモンドから「バーンウッダイト(bernwoodite)」という新鉱物が発見されました。
こちらはさらに深く、地下410〜660kmで生まれたとされています。
別の新鉱物「ダベマオアイト」が地表に向かって上昇する過程で分解し、バーンウッダイトになったと研究チームは考えています。
なぜ今、次々と見つかるのか

こうした深部の新鉱物が相次いで発見されているのは、分析技術の進化によるものです。
強力なレーザーやX線を使ったナノスケールの解析が可能になり、これまで「小さすぎて見えなかった」包有物がようやく正体を現しはじめています。
グラハムピアソナイトの場合、ダイヤモンドから取り出さずに、閉じ込めたままの状態でX線回折分析を行いました。
それだけ技術が精密になったということです。

