宝石の中のインクルージョンを見たり、表面の傷を確かめたり。

そんなときに使うのが、手のひらに収まる小さな拡大鏡、ルーペです。

虫眼鏡と似ていますが、形もレンズのつくりも違います。ルーペがあると、石の見え方が一気に変わります。

宝石用ルーペは10倍

宝石用ルーペの基本は、10倍です。

ダイヤモンドのクラリティ評価*も、10倍のルーペで見える範囲が基準になっています。10倍で見えないほど小さなインクルージョンは、グレードに影響しません。

もっと高い倍率のルーペもありますが、倍率が上がるほど一度に見える範囲は狭く、ピントの合う距離は短くなります。ふだんの観察には、10倍がいちばん扱いやすい倍率です。

ダイヤモンドのクラリティ評価*

ダイヤモンドの「クラリティ(Clarity)」とは、石の内部にある内包物(インクルージョン)や、表面の傷(ブレミッシュ)の少なさを評価する基準です。

評価は、10倍の拡大鏡で観察したときの特徴や見え方などをもとに、FL(フローレス)からI(インクルーデッド)までの6段階・11グレードに分けられます。

トリプレットレンズ

トパーズのクラックの様子
グリーンアベンチュリンのインクルージョン

宝石用ルーペには、「トリプレット」と呼ばれる、3枚のレンズを貼り合わせたレンズが使われています。

1枚だけのレンズでは、視野の端がゆがんだり、輪郭に虹色のにじみが出たりします。これを「収差」といいます。

トリプレットは、レンズを組み合わせることで、このゆがみやにじみを抑えています。インクルージョンの形や色を正しく見るには、ここが大切です。

使い方

構える

ルーペは、目のすぐ近くに構えます。

そして、ルーペではなく石のほうを動かしてピントを合わせるのがコツです。

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ピントをあわせる

10倍の場合、石とレンズの距離はおよそ2.5センチ。石を少しずつ近づけたり遠ざけたりして、ピントの合う位置を探します。

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固定し、観察する

ルーペを持つ手を頬に、石を持つ手をルーペを持つ手に軽く当てると、揺れが減って見やすくなります。

両目を開けたまま見るほうが、目が疲れにくくなります。最初は慣れが必要ですが、何度か試すうちにできるようになります。

🔗詳しい使い方はコチラの記事でも解説しています!

differenceeコラム
ルーペでもっと楽しもう!

光の当て方

石の内部を見たいときは、真上からの光より、斜めや横から光を当てるほうが見やすくなります。

真上から光を当てると、表面の反射がまぶしくて、中が見えにくくなるからです。ダイヤモンドのように強く輝く石では、特にその差がはっきり出ます。

ピンセットで持った石を少しずつ回したり、角度を変えたりしてみてください。光の入り方が変わると、それまで見えなかったインクルージョンが浮かび上がってきます。

石に指紋やほこりがついていると、それをインクルージョンと見間違えることがあります。のぞく前に、柔らかい布で拭いておくと安心です。

つぶやき
スタッフ

レンズを覗いてみると、知らなかった世界がひろがりますね✨️

暗視野照明

宝石用の顕微鏡には、「暗視野照明」という見方があります。

石に下から斜めに光を入れ、背景を黒くする方法です。インクルージョンだけが光を受けて、暗い背景の中に白く浮かび上がります。

ルーペでも、黒い紙を背景にして横から光を当てると、似たような効果が得られることがあります。暗視野照明つきのルーペも市販されています。(differenceeでは今現在取り扱いはございません🙇‍♀️)

つぶやき
スタッフ

ルーペがあると、石の見え方が変わります。

肉眼ではただの「くもり」だったものが、小さな結晶の集まりだったり、泡だったり、針だったり。

10倍のトリプレットがひとつあれば、インクルージョンや表面の状態をかなり確認できます✨️

ムーンストーンのシラーをつくる層は、ルーペでは見えないほど細かいものです。一方で、スターサファイアの星をつくる「シルク」と呼ばれる針は、ルーペで見えることもあります。光の現象の正体を、自分の目で探してみるのも面白いですよ。

あなたが最初にルーペでのぞいてみたい石は、どれですか?