廃棄宝石定期便をご利用くださるお客様から、「廃棄宝石定期便で初めて宝石に触れた」とのコメントをよくいただきます。
宝石を手にするきっかけ作りに貢献できたこと、スタッフ一同とても嬉しく感じます。
数々の美しい宝石を見ていると、それぞれ形が異なる事に気付くでしょう。
切り出した鉱物の形を整え、磨いて隠れていた美を最大限に引き出した形のことを、宝石業界では「カット」と呼びます。
様々なカッティング方法があり、どんなカットが向いているかは鉱物の種類によって、また一つ一つの石によって違います。
そんなカットの中で、今回は「コンケーブカット」についてお話します。
平面では得られぬ3次元の輝き
コンケーブは英語で「くぼんだ」を意味します。
その名の通りコンケーブカットは下部(パビリオン)に施された平面カットに溝を彫り込むカット技法です。
このカット技法は1990年代初頭にベルンド・ムーンシュタイナー氏によって発明されました。
「ファンタジーカット」の別名もあるコンケーブカットは、カット面のすじ状に溝を彫ることで石の内部に最大限の光を取り込み、今までにない複雑で深みのある輝きを演出します。
手頃な宝石をより美しく
コンケーブカットは深みのある輝きが作れますが、高度な技術が必要である上、従来のファセットカットより約10%多く石を削ることでコストがかかります。またルビー・サファイア・エメラルドなどの濃い色は、逆にくすんで見えてしまうことも。
そういった面でダイヤ・ルビー・サファイアなど、値の張る石・色の濃い石には使用されないカットです。
このカットが最大限活かせる石は、淡い色が魅力であり、高度なコンケーブカット加工でも手頃な値段で入手出来る石となり、クォーツ・アメシスト・シトリン・トパーズ・フローライトなどが最適となります。
弊社でもアメシストなどでコンケーブカットのルースを扱っていますので、興味のある方はぜひ手に取ってみてくださいね。