廃棄宝石定期便をご利用くださるお客様から、「廃棄宝石定期便で初めて宝石に触れた」とのコメントをよくいただきます。

宝石を手にするきっかけ作りに貢献できたこと、スタッフ一同とても嬉しく感じます。

数々の美しい宝石を見ていると、それぞれ形が異なる事に気付くでしょう。

切り出した鉱物の形を整え、磨いて隠れていた美を最大限に引き出した形のことを、宝石業界では「カット」と呼びます。

宝石のカッティング方法は、大きく二つ。

研磨した大小の平面(ファセット)で創り出された「ファセット・カット」

ふっくらとした丸い山形に整えられた「カボション・カット」

二つに分けられたカッティング方法の中でも様々な種類があり、どんなカットが向いているかは鉱物の種類によって、また一つ一つの石によって違います。

そんなカットの中で、今回は「カボションカット」についてお話します。

最古のカット

カボションカットは最も古くから存在するカットです。上部をなめらかなドーム状に整え、下部は平ら、またはわずかな丸みがある形に研磨されます。伝統的な形は楕円形ですが、石によっては三角や四角にしたり、近年ではペアシェイプ型(しずく型)も人気があるようです。

ファセットカットが透明度が高い石の輝きを引き立てる技法に対し、カボションカットは半透明や不透明な石の色やインクルージョン、そして表面に出る光の筋を引き出しています。

カボションカットが用いられる石の特徴は下記のものがあります。

・半透明、又は不透明の石…翡翠・トルコ石・瑪瑙など

・インクルージョンが目立ち透明度が低い石…サファイア・ルビー・エメラルドなど

・イリデッセンス・キャッツアイ効果・スター効果などの性質を持つ石…ムーンストーン・キャッツアイ・スタールビーなど

マハラジャ所有の世界最高のスターサファイア

ジョードプルのジャスワンド・タダ(王族建造物)

インドの都市ジョードプルのマハラジャ(王族)が所有していたジュエリーの一つに「スター・オブ・アジア」と呼ばれるスターサファイアがあります。

「スター・オブ・アジア」は、極細のルチルのインクルージョンによって浮かび上がる、6条のスターが完璧なカボションカットによって表れていました。幻想的な美しさを放つこのサファイアはなんと330カラット。

だいたい赤ちゃんの握りこぶしくらいです。大きいですね!