廃棄宝石定期便をご利用くださるお客様から、「廃棄宝石定期便で初めて宝石に触れた」とのコメントをよくいただきます。

宝石を手にするきっかけ作りに貢献できたこと、スタッフ一同とても嬉しく感じます。

数々の美しい宝石を見ていると、それぞれ形が異なる事に気付くでしょう。

切り出した鉱物の形を整え、磨いて隠れていた美を最大限に引き出した形のことを、宝石業界では「カット」と呼びます。

様々なカッティング方法があり、どんなカットが向いているかは鉱物の種類によって、また一つ一つの石によって違います。

そんなカットの中で、今回は「マーキスカット」についてお話します。

主役にも脇役にもなれるマーキスカット

正式名称は「マーキス・ブリリアントカット」といい、ブリリアントカットの変種です。

上から見ると中央は丸みを帯び、両端は尖っていてラグビーボールのような形をしています。

マーキスカットは実際のカラットよりも大きく見せることが出来ます。縦横の割合は2:1なのが一般的なようです。

マーキスカットの魅力は、「優雅な曲線」と「シャープな先端」の相反する2つを合わせ持つことでしょう。ジュエリーの中央で主役とし輝くことも、小ぶりなマーキスカットを周りに配置して別の石を何倍も魅力的に見せることも出来るカットです。

またマーキスカットは、モチーフデザインにも活用されます。花びらや植物に見立てたり、蝶の羽としても表現されます。

ポンパドール夫人のカット

「マーキス」とはフランス語で、侯爵夫人や女侯爵の意味を持ちます。

これはフランス国王のルイ15世が自身の公妾(公になっている愛人)であるポンパドール夫人に「伯爵」の称号を与えたことが関係します。

平民生まれのバゲットカットは美しく賢い女性で、ルイ15世の公妾と認められてからは、政治にも関わるようになります。そんな彼女の魅惑的な笑顔に似合うダイヤモンドをルイ15世が望み、その時に完成したカットを「マーキスカット」と名付けました。

華やかなイメージだったポンパドール夫人ですが、マーキスカットが似合う女性と考えると、知的な美女だったのでしょうね。

ポンパドゥール夫人

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