丸く磨かれた石の表面に、すっと一本の光の筋が走ることがあります。

猫の瞳のように見えるこの現象が、キャッツアイ効果。専門的には「シャトヤンシー(chatoyancy)」と呼ばれます。

スター効果のコラムで、「スターはキャッツアイがいくつも重なった姿」とお伝えしました。今回は、その一本の線のほうを見ていきます。

🧵 線をつくっているもの

石の内部に、細い針や管のような内包物、あるいは繊維状の組織が、一方向にそろって並んでいることがあります。

この石をドーム型のカボションカットに磨くと、表面に明るい一本の線が現れます。

光が平行な繊維に当たると、反射した光は繊維と直角の方向に集まります。ドームの丸みがレンズのように働いて、その光を一本の帯にまとめる。これがキャッツアイの仕組みです。

並びがよく揃っていて、繊維が細かく入っているほど、線は鋭く出ます。

石を傾けると線が左右に動き、光の位置を変えると線もついてきます。この動きが、まさに猫の目のようです。

シャトヤンシーという言葉は、「猫の目のように光る」という意味のフランス語に由来します。

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スタッフ

遊色効果は玉で構成されていて、キャッツアイは繊維質のもので構成されているんですね👀✨️

⭐️ スター効果との違い

シリマナイトキャッツアイ
スターダイオプサイド/4条

違いは、針や繊維が何方向に並んでいるか、だけです。

一方向ならキャッツアイ。二方向、三方向と並びが増えると、線が交わってスターになります。

ですから、サファイアのように、同じ種類の石でキャッツアイとスターの両方が見つかることもあります。

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スタッフ

スター効果の記事ではキャッツアイの集合したものがスター効果と紹介しましたね✨️

 🐱 キャッツアイを見せる石

クリソベリルキャッツアイ

いちばん有名なのは、クリソベリルキャッツアイです。宝石の世界で単に「キャッツアイ」と言うと、ふつうはこの石を指します。

蜂蜜色の地に、鋭く白い線が浮かぶものが高く評価されます。

クリソベリルキャッツアイには、「ミルク・アンド・ハニー」と呼ばれる見どころがあります。横から光を当てると、線を境に片側がミルクのように白っぽく、反対側が蜂蜜色に見えるんです。良質な石ほど、このコントラストがはっきり出ます。

ほかにも、トルマリン、アパタイト、クォーツ、シリマナイトなど、キャッツアイを見せる石はたくさんあります。

クリソベリル以外の石は、「クォーツキャッツアイ」のように石の名前を添えて呼ぶのが一般的です。

タイガーアイやホークスアイも、キャッツアイ効果を持つ石の仲間です。

これは、クロシドライトという繊維状の鉱物と石英が一緒になってできた石です。かつては「石英が繊維を完全に置き換えた石」と考えられていましたが、2003年の研究で、もとの繊維が石英の中に閉じ込められたまま残っていることが示されました。繊維が鉄の酸化物に変わって金色になったものがタイガーアイ、青みが残っているものがホークスアイです。

まれに、オパールやウレキサイトなどでも、キャッツアイのような効果が見られることがあります。

アパタイトキャッツアイ
シリマナイトキャッツアイ
オパールキャッツアイ

🔦 観察するとき

ペンライト

ペンライトや太陽光など、一方向からの光で見ると線がはっきり浮かびます。

照明が複数ある部屋では、光源の数だけ線が出て、ぼやけて見えることがあります。光をひとつにしぼると見えやすくなります。

石をゆっくり傾けたり回したりすると、線が移動する様子がわかります。

カットも大切です。繊維の並びが石の底面と平行になるように切らないと、線はドームの中央に来ません。線がまっすぐ真ん中を通っている石は、原石の向きをきちんと読んでカットされた石です。

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スタッフ

キャッツアイも、スターと同じく、内包物が石の見どころに変わる現象です。

クリソベリルの鋭い線も美しいですが、クォーツやトルマリンの少しやわらかい線にも、それぞれの味があります。

手元のカボションにライトを当てて、ゆっくり傾けてみてください。思わぬ石に、一本の線が隠れているかもしれません。

あなたの石は、猫の目を持っていますか?

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