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宝石には、長い間「存在は知られていたが、手に入らなかった」ものがいくつかあります。レッドベリルとグランディディエライトは、そのどちらでもありました。
どうしてこの2つの石は長い間見過ごされてきたのでしょう。
ダイヤモンド15万個に1個の赤

1904年、アメリカ人鉱物収集家のメイナード・ビクスビーが、ユタ州の山中で見慣れない赤い結晶を見つけました。
ベリルの仲間であることはわかりましたが、赤いベリルはそれまで知られていなかったため、翌年に新種として確認されます。
後に発見者の名前をとって「ビクスバイト」と呼ばれましたが、別の鉱物(ビクスバイアイト)と紛らわしいとして、現在は「レッドベリル」が正式な呼び名です。
宝石として使える品質のものが初めて発見されたのは、それから50年以上あとの1958年。ユタ州ワーワー山地での採掘です。
レッドベリルが生まれるには、極めて限られた条件が必要です。
この条件が揃う場所は地球上でほぼワーワー山地だけで、宝石品質の結晶が見つかる割合はダイヤモンド15万個に1個程度とも言われています。
ほとんどは1カラット以下。2〜3カラットの石は「非常に大きい」とされます。
100年間、宝石として市場になかった石

グランディディエライトは1902年、フランスの鉱物学者アルフレッド・ラクロワがマダガスカル南部の海岸の崖で発見しました。
名前の由来はフランスの探検家アルフレッド・グランディディエ(1836〜1912)に因んでいます。
なんとグランディディエライトは、発見から100年以上も「存在は知られているが、宝石として流通したことがない」状態でした。
転機は2014年。マダガスカル南部のトラノマロ地区で新しい鉱床が発見され、翌2015年に宝石品質の石がはじめて市場に現れます。GIA(米国宝石学院)がその年の秋に鑑定書を発行し、初めて「買える石」になりました。

「見過ごされた」理由

この2つの石に共通しているのは、希少性そのものより「その希少性が長い間きちんと認識されてこなかった」ことかもしれません。
レッドベリルは産地がほぼ1か所しかなく、宝石品質のものが出てもほとんど市場に流通しませんでした。
グランディディエライトに至っては、発見から100年以上、宝石として売られたことすらなかったのです。
認められるまでの長い年月

グランディディエライトが初めて宝石として売られたのは、発見から113年後の2015年のことです。
レッドベリルも、発見から50年以上宝石品質のものがなかなか見つかりませんでした。
なかなか日の目を見ることのなかった2つの石ですが、現代ではファンも多い石となって流通されているのは喜ばしいことです。


