パイロープ

パイロープの基本情報

名称	パイロープガーネット
鉱物種	パイロープ・苦礬石榴石
硬度	7-7.5
産地	チェコ・ブラジル・アメリカ　ほか

パイロープの特徴

ガーネットにはさまざまな種類があり、系統によって赤・紫・緑・黄色とカラーも異なります。
パイロープガーネットはアルミニウムを主成分とする系統のガーネットで、ルビーと混同されるほどの深い濃い赤色は、鉄やクロムの含有によるものです。

ガーネットの語源は、ギリシャ語で「炎・炎のような目」を意味する「ピポロス」と、ラテン語で「種子」「ザクロ」を意味する「グラナタス」からきています。
また、旧約聖書に出てくるノアの箱舟で、灯火として船の中を照らしていた光が、パイロープガーネットであったといわれています。

大粒のものがあまり産出しないので、コレクターの中には納得のいくパイロープガーネットを何年も追い求めている人もいるのだとか。

ブームの火付け役はヴィクトリア王朝

1803年、ハプスブルク帝国の地(現チェコのボヘミア地方)で大きな鉱脈が発見されたことで、パイロープガーネットは大切な資源として宝石産業の大きな役割を果たしてきました。

パイロープガーネットは当時ハプスブルク帝国と親交のあったイギリスのヴィクトリア王朝へ贈られ、一躍話題となりました。
ルビーと同等の美しさでありながら安価だったため、イギリス市民たちはパイロープガーネットを求めました。
そのため、ヴィクトリア王朝期のアンティークジュエリーにはパイロープガーネットが使用されているものが多く残っています。
また「ルビーだと思っていたら、実はパイロープガーネットだった」と後から判明することもよくあることでした。
現代でも、パイロープガーネットはチェコの国石に制定されています。

パイロープガーネットは1月1日と1月26日の誕生日石です。