フローライトの語源はラテン語で「流れる」を意味する「Fluere(フルール)」から。
また、和名の「蛍石」は加熱や摩擦によって発光したことを、古人が蛍の光に例えたと言われています。

このようにフローライトは加熱や紫外線照射(ブラックライト)で光輝く性質があり、その光学反応を「フローレッセンス(蛍光性)」と呼びます。フローレッセンス効果は、他の鉱物にも見られますが、この宝石で初めて確認されたためそのように呼ばれています。これはフローライトの代名詞と言える反応ですが、すべてのフローライトが蛍光するわけではなく、むしろごく一部です。

フローライトは硬度4と、とても傷つきやすい宝石です。熱や振動を与えないようにゆっくり研磨をしなければならない、研磨師泣かせの鉱物です。その一方では、光が分散されずにほぼそのまま通過するという特性が注目され、高純度無色透明の人工的な結晶が作られ、カメラの高級レンズとして使われています。