

スタッフ
天然石やジュエリーの魅力に気づくと、色とりどりの鉱物だけでなく、海が育む「真珠(パール)」の美しさにも目を奪われますよね。
真珠のネックレスといえば、誰もが思い浮かべるのが、あの白くて丸く、鏡のようにツヤツヤと輝く「アコヤパール」。成人式や結婚式など、日本では昔から「王道の真珠」として広く愛されてきました。
でも今、この「アコヤ」という名前をめぐって、ちょっとした変化が起きているのをご存知ですか?
🐚本物のアコヤパールが激減&価格が急高騰中!

まず知っておきたいのは、本物のアコヤパールの現状です。 アコヤパールは、海に生きる「アコヤガイ」という貝の中に、職人さんが核を入れ、日本の美しい海で大切に育てられる養殖技術の結晶です。主に三重県や愛媛県、長崎県などで作られています。
しかし今、このアコヤパールの生産量が信じられないほど落ち込んでいます。 一番多かった1980年代には年間70トンほど採れていたのですが、現在はなんと約12トン。ここ30年で7割以上も減ってしまいました。
原因は、2019年頃から発生したウイルスの影響による貝の大量死、海水温の上昇、そして養殖業者さんの高齢化や後継者不足です。

その一方で、海外(特にアジア市場)でのアコヤパールの人気はうなぎのぼり。世界中で「欲しい!」という人が増えているのに、モノが足りない状態です。そのため、2023年頃から販売価格がなんと2倍以上に跳ね上がりました。ここ10年で金(ゴールド)の価格が約1.8倍になったと言われていますが、国産アコヤパールはなんと3倍以上。今や、手に入れるのがとても難しい、非常に高価なものになっているんです。

スタッフ
思ったより深刻な状況だったんですね💦
そこに現れた「フレッシュウォーター・アコヤ」の謎

本物が減って高くなると、見た目がよく似た別の素材に注目が集まるのは、ジュエリーや宝石の世界ではよくあることです。
最近、中国の淡水(川や湖)で育てられる真珠のクオリティが、信じられないほどレベルアップしました。丸くて白くてピカピカ。写真で見るだけなら、本物のアコヤパールと見分けがつかないほどです。
そこで、このキレイな淡水真珠を、ネット通販などで「フレッシュウォーター・アコヤ」「チャイニーズ・アコヤ」「ベイビー・アコヤ」といった名前で販売するケースが増えてきました。
これに対して、世界的に権威のある宝石の鑑別機関「GIA」が、「これらはアコヤパールではありません。誤解を招く名前です」と公式に警告を出したのです。
アコヤパールと呼べるのは、「海水」「アコヤガイ」「特定の養殖環境」という3つの条件が揃ったものだけ。いくら見た目が似ていても、淡水で育った真珠はまったくの別物です。名前が混ざってしまうと、買い手が間違った価値や価格の基準で判断してしまうため、これが問題視されています。

スタッフ
おっと!真珠にもいろいろ事情があるんですね🤔
淡水パールそのものは、とっても素敵な石!

誤解してほしくないのは、「淡水パールが悪いわけでは決してない」ということです。
品質の良い淡水パールは、アコヤパールの1/8〜1/10というお手頃な価格で手に入ります。しかも、真珠層(巻き)の厚さでいえば、アコヤパールよりも肉厚で丈夫な場合も多いのです。
「アコヤ」という名前を借りて偽るのではなく、「普段使いしやすくてキレイな淡水パール」として正しく売られていれば、私たちジュエリー好きにとっても非常に魅力的で素晴らしい存在です。

スタッフ
自分自信が、何に重きを置くか、で選ぶ商品もかわりますね。
ジュエリー好きだからこそ共感できる「名前」の重み
みなさんは「カーバンクル」という言葉を聞いたことがありますか? 古代から中世にかけて、赤くてキラキラ光る石は、ルビーだろうがガーネットだろうが、区別されずにすべて「カーバンクル」と呼ばれていました。見た目だけで名前が決まっていた時代のお話です。
外見だけで名前を借りてしまうことは、その大切な保証を崩してしまいます。日本のアコヤパールが希少になっている今だからこそ、私たちはその「名前の重み」を正しく理解して、素敵なジュエリー選びを楽しみたいですね。



