
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
大鹿村中央構造線博物館

長野県南部、自然豊かな南アルプスの山あいに位置する大鹿村は、日本列島の「背骨」ともいえる大断層「中央構造線」の真上にあります。大鹿村中央構造線博物館は、地質学的に特異な場所に建ち、日本列島の成り立ちを地層から読み解くことに特化している、全国でも数少ない博物館となっています。
地学・地層に特化した博物館
まず館内の入る前に、博物館の前庭に置かれた数々の岩石の標本に圧倒されます。
175点ある岩石は村内の河川から集められ、実際に自然の中にある地質の配列にあわせて配置してあるのですが、さらに大鹿地域の地質の向き(走向・傾斜)に合うように置いてあるという徹底したこだわりに驚きます。
そして前庭には「中央構造線」のラインが表示され、「中央構造線の上に居る」とリアルに感じられます。*実際の位置より少しずれているそうです。
展示室①では、人力で掘り出した国の天然記念物「中央構造線北川露頭」の剥ぎ取り標本が大きく展示されるほか、およそ200点の大鹿産岩石を切断・研磨した「断面研磨標本」、大鹿村を1/10000のスケールに収め、岩の種類ごとに色を塗り分けした「立体地形地質模型」などが展示されています。
それらは前庭同様に配置にも意味があります。二色に色分けされたカーペットは、赤のゾーンは伊那山地・中央アルプス側の岩石、青のゾーンは、赤石山脈側の岩石と、中央構造線の実際の位置にあわせて置かれています。
また博物館尾周辺では野外観察地があり、断層の岩肌を間近に観察することができます。
宝石はありませんが、鉱石が生まれる地球をより深く知ることができる博物館です。


