宝石の魅力の一つに欠かせないのが色彩豊かな「カラー」。
赤・青・黄・緑・紫にピンクと、シンプな色だけでも名をあげればきりがないほど。
今回はその中でもさらに宝石の魅力を高める「多色性」と、その鑑定に使う道具をご紹介します!
多色性とは
多色性は、人口光・自然光など光の質とは関係なく、見る角度によってその宝石の色が異なって見える性質をいいます。
今でこそ多色性は石の個性とされていますが、少し時代がさかのぼれば、見る角度で色が変わるのは、「完全ではない欠点」でした。今では多色性の石のコレクターがいるほど、魅力のある性質です。
多色性が現れやすい石
※変化する色は個体によって異なります
※多色性は、光を通すタイプの一部の石が持つ性質で、ラピスラズリやトルコ石など光を通さない石にはない性質です。
そんな多色性をしらべるのが二色鏡(ダイクロスコープ)です。
ベニトアイト…青/淡青
二色鏡
二色鏡には筒型の「カルサイト二色鏡」とルーペ型の「ロンドン二色鏡」があります。
形は違えど、使用方法はそれほど変わらず、ペンライトやプレートライトなどで石に光を当て、観察します。
カルサイト二色鏡の使い方は、ペンライトなどで光を当てた宝石を、筒型の二色鏡で覗く方法です。カルサイト二色鏡の内部には二つの四角い窓があり、多色性の性質を持つ石はそこに色の違いが現れます。
この二色鏡はカルサイトのもつ複屈折の性質を利用したものとなります。宝石の鑑定に別の宝石の性質が活用されるのが面白いですね!
ロンドン二色鏡は携帯に便利なルーペ型です。
こちらはプレート状のライトの上に石を置き、ルーぺの角度を変えながら色の変化を鑑定します。
カルサイト二色鏡は一粒づつの観察になりますが、ロンドン二色鏡は複数の石を同時に観察することが出来ます。
プレートライトは別購入となりますが、みなさまが持つスマホでも、画面を白の壁紙に設定すれば、プレートライトの代用が可能です。(画面表示の明るさや消灯時間など調整してみてください)
一粒だけなら裏面のスマホのライトの上において観察したりと活用できますよ!
この記事で紹介した以外にも多色性の石はあるので、いろいろお試しください!
多色性を楽しむ【偏光板】
※ヒガミナ様が制作された偏光板です
鉱物の多色性をお楽しみいただける偏光板
サイズ:5cm×5cm