スフェーン

スフェーンの基本情報

名称	スフェーン
鉱物種	チナタイト・チタン石・楔石(くさびいし)
硬度	5-5.5
産地	ブラジル・マダガスカル・パキスタン　など

スフェーンの特徴

宝石名では「スフェーン」と呼び、鉱物名では「チタナイト」と呼び分けられています。
本来なら無色透明ですが、微量に含まれる鉄などの成分によって黄色・緑・茶色などが多く流通しています。そのほかにも黒・ピンク・赤・青などと、カラーバリエーションはとても豊富。

スフェーンの名は、結晶がV字にとがった道具である「楔（くさび）」に似ているため、ギリシャ語の楔（スフェノス）が由来となっています。

チタナイトの名のように、スフェーンはチタンを含み、含有量が多いと黒みがかった緑色になります。
他の成分として鉄分を含むとマスカットグリーンやライムグリーンといった爽やかな黄緑色が多い一方、クロムを多く含有する場合は深みのあるグリーンに輝き、より価値があるとされています。

ダイアモンドを超える輝き

スフェーンの最大の特徴は、ダイヤモンドよりも高い光の分散(ディスパーション)です。
分散とは、白色光がプリズムを通過するときに七色に分かれる現象のことを言います。
つまり光が入ったときどれだけ虹色にきらめくかということです。この分散が強いことをファイア(虹色の輝き)といいます。
ダイアモンドの分散が最大0.044なのに対し、スフェーンは最大0.051！凄くないですか！
ちなみにファイアは濃い色よりも淡い色のスフェーンの方が出やすいです。

また見る角度によって異なる色を見せる「多色性」の特徴もあります。
新緑の若葉のような緑色が、角度を変えて見るとイチョウのような黄色に見えたりと、ガラリと印象が変わって見えます。

2021年12月、スフェーンは新たに7月の誕生石として追加されました。