皆さんは、貴石・半貴石という言葉を知っていますか?
「きせき・はんきせき」とそれぞれ読むのですが、中には初めて聞く方もいるでしょう。
これは鉱物の名前ではなく、私たちが目にしている宝石たちを二つに分類した言い方なのです。

貴石は分かるけど、半貴石って何?貴石よりも劣るもの?半分宝石ってこと?…なんて疑問が聞こえてきそうですが、貴石も半貴石も、地球が生み出した立派な天然石です。

大きく二つに分類されていると言いましたが、実際のところ、貴石と半貴石の定義は、国や判断する人によって変わるので明確なものはありません。
なので、今回はよく言われる代表的な分類をご紹介しますね。

四大宝石

一般的な貴石は、ダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルド。
これら4つの宝石は『四大宝石』とも呼ばれています。
貴石の条件として「硬度」「希少価値」「外観の美しさ」を指します。
それに加えて、この4つは宝石に関心のない人でも聞いたことのある石という「知名度」も関係するのではないかと私は思いました。

四大宝石+三

上の四大宝石に、ヒスイ・オパール・アレキサンドライトが加わる時もあります。
ヒスイとオパールは硬度こそありませんが、「外見の美しさ」が貴石に値するという判断です。

また私個人の考察となりますが、この二つの石は人との歴史も深く、その関わり方は王族や信仰に捧げる供物だったことも関係し、貴石に分類されているのではないかと考えています。

ヒスイ:縄文中期の古代信仰、太古よりアジア大陸権力者のステータスシンボル
オパール:16世紀アステカ文明で「神の化身」とされた

アレキサンドライトは自然光と人工光のもとでは色が変わる「変色性」が、貴石の条件の「希少価値」に該当します。
上記4つ(+3つ)が「貴石」、それ以外を「半貴石」ということになります。

結局、半貴石の「半」って?

ここまでで皆さん、同じことを感じたと思います。
「貴石に分類されてる石が、少なすぎるのでは」と。
それと同時に、半貴石の「半」って何?と思うでしょう。
初めに言ったように、貴石と半貴石、共に定義が明確でないので
「貴石に劣らない美しさだが、硬度が低いもの」
「貴石よりもリーズナブルの価格で入手出来るもの」
「原石<加工費=貴石・原石>加工費=半貴石」
と、人によって解釈もさまざまです。

二つに分類されてはいますが、半貴石のレッドスピネルはずっとルビーだと思われていたり、パライバトルマリンやインペリアルトパーズなど貴石に勝る希少価値のものもあったり、ラピスラズリやムーンストーンなども、何にも変えがたい魅力が溢れています。

大切なのは貴石・半貴石の言葉よりも、目の前の石を自分自身が美しく感じるかどうかということ。
地球にはまだまだ私たちが見たことのない宝石が眠っているかもしれません。
これからもたくさんの宝石をみて、自分だけの一個を見つけてくださいね。