
宝石の「熱処理」ってご存知ですか?
私達が普段目にする美しい宝石の中には全く人の手が加わっていないものもあれば熱処理のような美しさを改善する工程が加わったものもあります。
この熱処理は自然界の火山熱を真似した技で、採掘された鉱石の美しさを内側から引き出す作業です。
歴史
熱処理ってとても歴史の古い技術なんです。
紀元前1300年頃のツタンカーメンの墓から熱処理されたカーネリアンが見つかっています。古代から宝石をより美しくするための技術が受け継がれてきているんですね。
現代ではレーザーや精密炉で、昔の火山熱をアップデート版の高い精度で行われるようになり、様々な石に活用されています。

熱処理の方法
熱処理はシンプルで繊細な技。
宝石を特別な炉(高温のオーブンみたいなもの)で温めて、内側の色や透明感を引き出します。
温度は1000℃以上になることも!
準備
宝石を丁寧に洗浄して、汚れや傷をチェック。専用コンテナに入れて保護。
STEP
1
加熱
炉で数時間から数日、じっくり温めます。欲しい色が出るよう酸素の量を調整することが技術の見せ所。たとえば、ルビーなら赤みが強くなります。
STEP
2
冷却
急に冷やさず、ゆっくりクールダウン。割れ防止の大事なステップで、ケーキを型から外すみたいに優しく行われます。
STEP
3
実際にやってみました!
用意したもの





多少でも変化がわかるかと思い実験を行ってみましたが、
300〜600℃で2時間程度とのことなので石が割れるのが怖くて断念…。
よく熱処理される石
宝石を身近な存在にしてくれた熱処理
未処理の宝石はレアで高価で直接目にする機会すら少ないです。
しかし、熱処理の発達によって宝石は私達の生活により近い存在になりました。本来の美しさを引き出す熱処理は魔法のような工程。古代エジプトの職人さんから続く知恵に感謝しながら輝きを楽しみたいですね!