
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
山梨宝石博物館

山梨県河口湖畔に位置する「山梨宝石博物館」は、日本国内で唯一、宝石・鉱石を専門的に展示する博物館となっています。
山梨県の水晶をはじめとする宝石の歴史は縄文時代まで遡るほど。以来水晶の産地として名高く、江戸時代後期には研磨・彫刻技術が発展し、近代のジュエリー産業の拠点として成長しました。
その背景を踏まえ、単なる鉱物標本の紹介にとどまらず、宝石学的価値と加工技術史の双方を示す展示となっています。
ひかえめな照明でラグジュアリーな雰囲気が漂う展示室は、どこか背筋が伸びるような、日常から離れた特別感を味わえます。
均等に並んだショーケースにはダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドといった四大宝石をはじめ、約50種類の鉱石が展示されています。
ショーケースには原石・ルース(台座に固定する前の研磨・カットされた宝石)・ジュエリーが併せて展示されているので、ただ岩石のように見える鉱石が加工技術によって美しい変貌を遂げる石、原石でも色鮮やかな石がカットによって更に華やかになる石など、時間を忘れて魅入ってしまいそう。
このように原石と加工後の姿を同時に展示する博物館は珍しいのではないでしょうか。
結晶形態やインクルージョンの有無、カットによる光学的効果の変化など、宝石学的な観点から学べる内容も充実しており、原石ファン、宝石ファン、どちらにとっても魅力的な博物館となっています。
原石が人の手による加工技術で美しい宝石にかわる工程も、小さな職人の模型で説明してくれます。ガラスケースに納められた小さな宝石工房は、童話の小人のよう。
またルースやジュエリー宝石の紹介ではドイツでマイスターの称号を持つ宝石加工デザイナー・ムンシュタイナーをはじめとする、宝石の魅力を引き出す宝石彫刻家たちがおりなす匠の技をお楽しみいただけます。