
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
尾小屋鉱山資料館

石川県小松市に位置する尾小屋鉱山資料館は、かつて「東洋一の銅山」と称された尾小屋鉱山の歴史文化を伝える施設となっています。
明治から昭和にかけ、日本の近代産業を支えた尾小屋鉱山。
銅をはじめ、鉛や亜鉛など多様な鉱物資源を産出し、地域の経済と人々の暮らしに大きな影響を与えました。
尾小屋鉱山資料館は、その当時を物語る貴重な資料や道具、写真、鉱石標本が一堂に展示され、当時の鉱山労働や産業技術の様子をリアルに伝えています。
二階建ての資料館には坑道掘削に用いられた器具や安全灯、鉱石を選鉱・精錬するための模型など、採鉱から製錬に至る工程が分かりやすく展示しています。
また、かつて尾小屋鉱山では銅鉱石に含まれるオパール・黄鉄鉱(パイライト)・赤鉄鉱(ヘマタイト)マラカイト(孔雀石)なども採掘されていました。それらも美しい結晶標本として展示されています。
資料館の見学後は、実際の旧坑道跡地「尾小屋マインロード」を見学します。
小さなトンネルのような入口から入ると、トンネル内は木造りと呼ばれる支柱に支えられ、当時の高い鉱山技術がうかがえます。全長600mの内部は地下水も滴るため、湿度も高く内部温度は15℃から18℃とひんやりとしています。
歩みを進めるとセンサーライトが付き、当時の作業の様子をマネキン人形を用いた展示物が出てきます。閉鎖的な空間で作業の様子を見せるマネキン人形は、ほんの少し怖くも感じます。けれどもそれは当時の働く作業員の感じていた気持ちかと思えば、リアルな臨場感と言えるのではないでしょうか。
マインロードの非日常空間から帰ってきたら、かつての鉱山鉄道の保存車両をのんびりと見学しましょう。尾小屋鉱山を中心として地域が栄えていた証がここにあります。