地球が創り出した宝石たちは、見ているだけでとっても幸せな気持ちになりますよね。
時として私たちの感性や想像力を豊かにしてくれる宝石は、物語の主軸になることも。
このシリーズでは作中に宝石が登場する書籍をいくつか紹介します。
ここで紹介した書籍が、今後あなたの「お気に入りの本」になる作品があったら嬉しいです。
こんな人にオススメ!
- 童心に戻って楽しみたい方
- お子さんやお孫さんに読み聞かせたい方
幸せな王子
作: オスカー・ワイルド 絵: 清川あさみ 訳: 金原 瑞人 (出版社 リトルモア)
出版社は複数ありますが、今回は手芸作家の清川あさみさんが画担当のものをご紹介。本全体を針と糸で幻想的に表現しています。
どんな物語?
ある街の柱に立つ「幸せな王子」と呼ばれる像はとても美しく、目にはサファイア、腰の剣にはルビー、心臓には鉛が埋め込まれ、全身は金箔で覆われていた。
この像は、幸福な生涯だったが早世した王子を象ったものであった。
像には亡き王子の魂が宿っていた。
常に街の貧困を嘆き悲しんでいた王子は、ある日ツバメに、自分の体の宝石を街の貧しい人々に届けてほしいと頼む。つばめは王子の願いを叶えるため、季節が変わっても美しい彼の体の宝石を人々のもとへ届けた。
その結果、王子の姿はみすぼらしく変わり果て、ツバメは王子の足元で力尽きた。
その後、王子の像は……。
1888年に発表され、今なお愛されているオスカー・ワイルドの童話「幸せな王子」(The Happy Prince)。少し悲しい結末ですが、王子の「幸せ」は何だったのか、深く考えさせられるお話です。
それと同時にやはりルビー・サファイアは136年も昔から「高級」の代名詞となった鉱物なのだなと思いました。
大人と子供では解釈も変わりそうなお話なので、ぜひご家族で楽しんでほしい作品です。
*作品に出てくる宝石*
サファイア、ルビー、金
この石どんな石?
サファイア
サファイアはダイアモンドの次に硬いとされる「コランダム」という鉱物です。コランダムの赤はルビーですが、その他の色は全てサファイアに分類されます。
花嫁の純潔を象徴する純白のドレスの中に、密かに青色を入れるとよいとされる「サムシングブルー」。そのアイテムとして、青いサファイアを結婚指輪に埋め込む花嫁も多くいるそうです。
結婚指輪だけでなく、石自体が持つ「誠実」「一途な想い」という意味をこめて、婚約指輪にサファイアを選ぶ人も多いのだとか。