
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
戸隠地質化石博物館

長野市戸隠の静かな山間にある「戸隠地質化石博物館」は、長野市立博物館の分館として廃校となった旧柵小学校(しがらみしょうがっこう)の校舎を再利用してできた自然史博物館です。かつての学び舎だった面影をそのまま残した館内は、来訪者をノスタルジックな世界へと引き込みます。
一階のエントランスでは体長8.7m 体重7.8tのミンククジラの骨格がお出迎え。
山の中の博物館になぜクジラが? と思うかもしれませんが、約400万年前、戸隠は海だったことをこのクジラで表現しています。実際に戸隠の地層では、約400万年前に生息していたヒゲクジラの仲間の化石が発見されています。
戸隠地質化石博物館は、三階が常設展示フロアになっています。
一階は学校の資料室や多目的室、二階は本来博物館では未公開のバックヤード部分を「ミドルヤード」として展示しています。
そして三階には体長9mのダイカイギュウ(大海牛)や、長野で生息していた体高4mのシンシュウゾウ(現・ミエゾウ)などの大型骨格標本のほか、“長野の海がなぜ消えたのか”が分かる、大地の生い立ちの解説展示、海にすむ生き物を中心に新生代から古生代まで世界各地の化石が分かりやすく展示されています。本格的な博物館でありながら、よく見ると懐かしい教室の机や理科室の机が展示の台として使用されています。
化石が多いような印象ですが、二・三階の廊下、三階のエレベーターホールには美しい鉱物標本が多数展示されています。なかには長野の地下200mから採掘された岩石といった、普段は見ることのできない貴重な展示も。
戸隠地質化石博物館の建物は廃校となった学び舎ですが、現在でも人々が学び集う場所として愛されています。