
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
親不知ピアパーク・翡翠ふるさと館
新潟県糸魚川市・親不知の糸魚川ICの近く国道8号線沿いに位置する「親不知ピアパーク 翡翠ふるさと館」は、高速道路の高架下の空間を利用した、道の駅内にある入館料無料のミュージアムです。
目の前には翡翠や瑪瑙が採れる海岸があり、日本海の鮮魚を扱う魚屋やレストランの並びに、翡翠ふるさと館も存在します。
館内に入りますと巨大な102tの翡翠の原石が、目に飛び込みます。この大きさは室内展示としては世界最大のものだそう。
館内には、糸魚川周辺で採取された翡翠の原石から研磨加工品に至るまで、多様な標本が体系的に展示され、翡翠の地質学的な特性と文化的な展開を知ることができます。タイミングが合えば翡翠の加工実演も見学できますよ。
展示されている翡翠は、白色・淡緑色、深緑、紫色など多彩な色調があり、専門家にとっても資料的価値も高く、結晶構造や微細組織による色因の説明などは専門家だけでなく一般の方にも楽しめるよう分かりやすい説明をされています。
日本における翡翠文化の発信拠点として、糸魚川は国内随一の翡翠の産地です。翡翠加工は縄文時代である5,000年前位から始まったとされ、硬玉の加工の歴史では世界最古と言われています。当時の翡翠は勾玉や装身具に加工され、祭祀に用いられたり、権力者への贈答品、諸国との交易にも利用され東アジア広域に流通したことが考古学的に立証されています。
そんな糸魚川の翡翠は、古事記に登場する高志(越)の国の奴奈川姫(ぬなかわひめ)と深い結びつきがあり、翡翠ふるさと館では翡翠と同時に奴奈川姫(ぬなかわひめ)についても紹介しています。
館内には「翡翠の見分け方」も表示されているので、親不知ピアパークに訪れた方は、目の前に広がる海浜で翡翠を探す人も多いようです。