
紀元前5000年もの昔から、人類を魅了してきた「宝石」。
なぜあれほど美しいのでしょう。どのような場所で宝石は生まれるのか、他にどんな石があるのか、もっと詳しく知りたくなりませんか?
今回はそんな石の秘密を教えてくれる、全国の「宝石・鉱物があるミュージアム」をご紹介します!
岩宿博物館

日本考古学の歴史を覆した岩宿遺跡
豊かな自然に囲まれた群馬県みどり市にある岩宿博物館は、博物館から100mほど離れた位置にある岩宿遺跡の展示が中心となっています。
岩宿遺跡は、独学で考古学を学んだ相澤忠洋氏が旧石器時代の打製石器を発見したことにより、それまで“日本列島には旧石器時代の遺跡は存在しない”という学説を覆した遺跡です。
博物館には岩宿遺跡から発掘された旧石器時代の石斧や矢じりなどといった石器のほか、旧石器時代の人々の狩猟生活やマンモスやヘラジカの骨格標本などが展示されています。旧石器時代は無土器時代とも呼ばれ、遺跡からは打製石器(石を打ち砕いて作る石器)が数多く発見されています。
岩宿周辺の石器の材料には黒曜石・硬質頁岩などが用いられ、割ると鋭い破断面(貝殻状断口)が表れ、刃物としての使用に適した性質を持っています。館内には石器の作り方や使い方の説明もあります。作り方がわかったら、実際に作ってみたくなりますね。
見どころ
岩宿博物館の一番の見どころは、なんといっても相澤忠洋氏が最初に発見した「黒曜石の槍先形尖頭器」です。
黒曜石といえば漆黒を想像しますが、この黒曜石は半透明の灰色で、宝石質といってもよい品質のものです。このひとつから日本の考古学の歴史が大きく変わったと思うと、感慨深いですね。
しかし残念ながら、岩宿博物館は大規模な展示等の改修工事のため令和7年9月1日~令和8年9月末頃まで休館となります。リニューアルオープンは令和8年10月頃となります。