みなさん新しい日本紙幣には慣れましたか?

新紙幣には国の花である桜が描かれていましたね。

それぞれの国には、国の代表する国歌、国花などがあり、国石もあるということをみなさんはご存じですか?

国石(こくせき)とは

その国家を代表・象徴する石(宝石)のことを指します。

多くの国が自国で産出した石を象徴としています。

※歴史的背景や王族が所有する宝石など、自国の産出石でない国もあります。

すなわち、国石を知ることで、石の産地が見えてくるということなのです。

そこで、どんな石が国の石に選ばれているのか、ほんの一部をご紹介しますね。

今回の石はこちら!

キャッツアイ

名称キャッツアイ
鉱物種クリソベリル
硬度8.5
産地ロシア・ブラジル・スリランカ ほか
レモンイエロー・ライムグリーン・オレンジ・ブラウンなど

キャッツアイは石の内部にルチルなどの別種の針状結晶が含まれることによって、猫の目のような光の筋が表れる現象を言います。キャッツアイ効果が表れる石は多くありますが、今回の国石に選出されているのはキャッツアイの中で一番有名な「クリソベリル・キャッツアイ」です。

クリソベリルは、火山石の一種「ペグマタイト」や「変成岩」と一緒に採掘される酸化鉱物の一種です。ダイヤモンド・ルビー・サファイアに次いで硬度が高い石になります。

キャッツアイを国石にしている国

🇱🇰スリランカ

スリランカではコランダム(サファイア・ルビー)・スピネル・クリソベリル(アレキサンドライト・クリソベリルキャッツアイ)といった宝石が採れる国としても有名です。いずれの宝石も採掘地域はスリランカの南西部に集中しています。数ある宝石の中でも、クリソベリルキャッツアイは世界の中でも最高品質のものが採れます。

スリランカでは古くからクリソベリルキャッツアイを「悪霊から身を守る石と」と信じられており、国内で15%の人々が信仰しているヒンドゥー教の伝承では「健康を維持し貧困から守る石」とも言われていました。

スリランカのクリソベリルキャッツアイは実は日本と深い結びつきがあるのをご存じですか?

1960年、当時の首相・池田勇人氏はスリランカ訪問時に1千万円相当のクリソベリルキャッツアイを奥様のために購入されました。

この大きな買い物は新聞に掲載され、日本中に知れ渡りました。

この出来事をきっかけにクリソベリルキャッツアイが日本で大ブームとなり、今でも日本が最も大きな市場になっているそうです。