地球が創り出した宝石たちは、見ているだけでとっても幸せな気持ちになりますよね。
時として私たちの感性や想像力を豊かにしてくれる宝石は、物語の主軸になることも。
このシリーズでは作中に宝石が登場する書籍をいくつか紹介します。
ここで紹介した書籍が、今後あなたの「お気に入りの本」になる作品があったら嬉しいです。
こんな人にオススメ!
- 有意義な時間を得たい人
- 珍しい石に興味がある
- 美しい作画が好みの方
宝石商のメイド
(著)やませちか(KADOKAWA)
どんな物語?
「ローシュタイン」は、大通りから外れたところにある宝石商。オーナーの不在中に店を任されているのは若いメイドのエリア。宝石の品揃えも、ルースばかりではなく原石の状態のものも並ぶ一風変わった店。
主人公エリアが鑑定師の資格を持つ設定だけあって、石に関する知識が本格的です。エリアがお薦めする石の価値は、一般的な「高くて高級な石」ではありません。
作中で「夜空に星の雲がかかったような」と表現されているインクルージョン入りのサファイアや、美しいけれど硬度は低く研磨師泣かせのスファレライトなど、彼女はお客様に「最適な価値あるひとつ」を提供します。私も彼女に宝石を見た立ててほしいものです。
*作品に出てくる宝石*
サファイア、スファレライト、クォーツ、タンザナイト、ルビー、パライバトルマリン、アイオライト
この石どんな石?
スファレライト
スファレライトは、亜鉛の資源鉱物としては、割とポピュラーな鉱物になります。
けれども透明度の高い宝石質の結晶となると、話は別。
宝石になるルースとなると、一気にレアストーンとなります。
スファレライトの最大の特徴は、ダイヤモンドも凌ぐ輝き。ダイヤモンドの分散率が0.044なのに対し、スファレライトは約4倍の0.156の分散率!
わずかな光でも内面に反射して、「キラキラ」を通り越し「ギラギラ」と輝きます。
この現象はファイアといい、カットされたスファレライトは非常に強い虹色の輝きを見せてくれます。