地球が創り出した宝石たちは、見ているだけでとっても幸せな気持ちになりますよね。
時として私たちの感性や想像力を豊かにしてくれる宝石は、物語の主軸になることも。
このシリーズでは作中に宝石が登場する書籍をいくつか紹介します。
ここで紹介した書籍が、今後あなたの「お気に入りの本」になる作品があったら嬉しいです。
こんな人にオススメ!
- 唯一無二の世界観に浸りたい
- 宝石の特性を知りたい方
宝石の国
(著)市川春子(アフタヌーン)舎)
どんな物語?
2017年にはアニメ化もされた宝石の国は、人の姿を持つ28人の「宝石」たちが、空から襲撃してくる「月人(つきじん)」と戦うストーリー。
主人公は他の宝石たちから硬度の低さから「3半」と揶揄されるフォスフォフィライト。フォスフォフィライトは自分も戦士のダイヤモンドたちと共に戦いたいのに、何の才能もなく脆いゆえに、博物誌を編む役割を与えられます。
作中ではダイヤモンドが一番強い戦士だったり、水銀の毒性を持つシンシャは仲間と離れて戦っていたり、石の特性が性格が反映しているのも面白い所。
私が特に設定が細かいなと思ったのはアメシスト。アメシストだけ「エイティ・フォー」と「サーティ・スリー」という名の双子なのです。
この呼び名はハートやⅤの形で現れる日本式双晶のアメシストが、84度33分という接合角度が名前の元になっていると分かります。
ちなみにフォスフォフィライトの石言葉が「逆境・挑戦・希望・癒し」なのですが、あまり語るとネタばらしになってしまうので言えませんが、これも作品にぴったり。
襲ってくる月人とは何なのか、宝石たちに課せられた宿命とは、未来とは。
美しさと残酷さが紙一重のこの作品、書籍の中で群を抜いて「宝石たちが主役」の漫画です。
*作品に出てくる宝石*
フォスフォフィライト、ゴシェナイト、モルガナイト、ルチル、ベニトアイト、シンシャ、ダイヤモンド、ボルツ(ブラックダイアモンド)、ユークレース
この石どんな石?
ゴシェナイト
ゴシェナイトはエメラルドやアクアマリンと同じベリルの鉱物種ですが、無色透明に近いベリルを「ゴシェナイト」と呼びます。
“近い”というのは、産出されるほとんどは、他のベリルの色味が混じってしまうため、無色透明はめったに出ないからです。
完全に無色透明の「ホワイトベリル」はハイレアストーンになります。