地球が作り上げた奇跡といっても過言ではない宝石。
紀元前の頃より人々は宝石を地位や威厳を示すために身に着けたり、厄災を避けるための守護石や、体の不調を助ける薬として活用してきました。
けれども、その美しさゆえに惑わされる人間も……。
今回は宝石にまつわる過去に起きた事件をご紹介します!
ラッパーのピンクダイヤモンド
高級な宝石を身に着けてみたい。そう思う人はたくさんいると思いますが、今回はそれを言葉通り「身に着けた」人の、笑っちゃいけない悲しいお話。
2014年頃よりラッパーとして世に現れたリル・ウージー・バート(Lil Uzi Vert)さん
は2017年にアルバム「Luv Is Rage2」が全米チャート1位になった新進気鋭のアーティスト。
紫や緑に染められたドレッドヘアと鼻の大きなボディピアス、全身に入れられたタトゥーがトレードマークで、日本のラッパー愛好家には「リルウジ」の愛称で通っています。
彼は2021年2月、音楽以外でも世間から大きな注目を浴びました。
それは額に超高額なピンクダイヤモンドを埋めたことでした。
石はセレブ御用達の宝石デザイナーから購入し、サイズは10~11ct。ラグビーボールのようなマーキースカットで、淡いピンク色をしています。その値段はなんと2400万ドル(約26億円)。
リルウジさんはSNSに「この宝石はとても高くて、2017年から支払いを続けてきた」と投稿していることから、彼がピンクダイヤモンドを手に入れたのはアルバムが全米チャート1位になった頃だと窺がえます。
彼はピンクダイヤモンドを額に埋め込む不安をたびたびSNSで呟いていましたが、最終的には額にダイヤが煌めく動画を投稿し「オーケー、上々だ」とご満悦でした。どうやって額に!? と思いますがおそらくマイクロダーマルピアス(埋め込み式のボディピアス)の施術をされたようです。
けれどもその5か月後の7月。音楽フェス「ローリング・ラウド」でまさかの事態に。
パフォーマンス中に観客席にダイブしたリルウジさん。感極まる観客によって額のピンクダイヤモンドが引き剝がされてしまいました。
いやなんで飛び込んだ! と言いたいところですが、激しめのライブではよくあることですよね。額からダイヤが消えた写真は悲しげでした。
ショックは大きかったようですが、とりあえずリルウジさんとダイヤは無事で、ピンクダイヤモンドは、後にピアスになりました。その方が安全ですね。