地球が作り上げた奇跡といっても過言ではない宝石。
紀元前の頃より人々は宝石を地位や威厳を示すために身に着けたり、厄災を避けるための守護石や、体の不調を助ける薬として活用してきました。
けれども、その美しさゆえに惑わされる人間も……。
今回は宝石にまつわる過去に起きた事件をご紹介します!
第2次世界大戦後に起きた世界最大の宝石盗難事件
事件はドイツ東部ドレスデンのドレスデン城内にある、国立博物館「緑の円天井」で発生しました。
この「緑の円天井」は欧州最古の博物館の一つで、1723年にアウグスト強王によって設立。所蔵品は金・銀・象牙など含めたバロック期の宝物コレクション約4000点。
そんな由緒正しき博物館に、2019年11月25日の早朝、盗賊団が窓と鉄格子を斧で破壊して侵入。
彼らはガラス製ケースも破壊し、ジュエリーを強奪。警備員による警報で警察が現場に到着した頃には、時すでに遅し。強盗団はその場を離れ、破壊行為で荒れた、悲惨な現場のみが起こされていました。この強奪事件は、わずか5分の間に起きた出来事でした。
この事件は事前に綿密な下準備があったようです。
事件発生の直前に、博物館近くで配電設備による火災が発生。この影響で警報器と街灯が停電し、窃盗団が入りやすい状況に。これはのちに強盗団に仕組まれた火災と判明しました。
なんだか「名探偵コナン」に出てきそうな話ですね。
被害総額は10億ユーロ(約1240億円)と報道されましたが、宝物館の館長は「文化的、歴史的の価値は計り知れず、具体的な値はつけられない」と仰ったそうです。
館長がそう言うのも無理はありません。窃盗団が持ち出したジュエリーには、アウグスト強王が所有していたダイヤモンドもありました。「ドレスデン ホワイト(49ctのダイヤモンド)」がはめ込まれた肩飾りをはじめ、大粒ダイヤ9個と小粒ダイヤ770個で装飾された剣、ブローチなど合わせて21点。
私が館長だったら、立ち直れなくなりそうです。
せめてもの救いだったのは、最も貴重な所蔵品である「ドレスデン グリーン(41ctのグリーンダイヤモンド)」が、ニューヨークのメトロポリタン美術館に貸し出されていたことでした。
その後、窃盗団の6名が逮捕・起訴。容疑者はドイツに国籍を持つ若者たちで、彼らはとして悪名高い犯罪組織「レモ・一族」のメンバーでした。
ジュエリーはいまだ見つからず現在も捜索中とのこと。
盗品はばらされて売られる事が多いようです。
せめてどこかで大切にされてるといいのですが。